2026年の研究により、術前MRIで移行帯に特定の所見がある場合、HoLEP後に偶発的に前立腺癌が発見されるリスクが高まることが示された。赴日診療を受ける患者への臨床的示唆について解説する。
良性前立腺肥大症(BPH)は中高年男性に広く見られる疾患であり、ホリウムレーザー前立腺剜出術(HoLEP)は効果が高く再発率も低いため、日本を含む欧米で主流の微创手術として定着している。しかしBPHを主訴にHoLEPを受けた患者のうち、術後病理で前立腺癌が偶然発見される「偶発的前立腺癌(incidental prostate cancer: IPC)」が認められることがある。2026年に『Cancer Diagnosis & Prognosis』で報告された研究は、術前MRIの移行帯所見とHoLEP後の偶発的前立腺癌発見との関連を検討した。
HoLEP術中に偶発的前立腺癌が見つかる理由
前立腺癌と良性前立腺肥大症は、解剖学的には移行帯を中心に発症領域が重なる。HoLEPは主に増大した前立腺組織を剜出する手術であるため、術前に移行帯内の疑わしい病変を十分に評価しないまま手術を進めると、術後の病理検査で初めて悪性腫瘍が判明するケースが生じ得る。日本では多因子MRI(mpMRI)が前立腺癌スクリーニングの標準的な画像検査として利用されており、術前の適切な画像評価が重要となる。
術前MRIにおける移行帯所見の意義
本研究では、T2強調像での信号強度の変化、局所性の低信号域の有無、拡散強調像(DWI)の高信号など、移行帯のMRI所見が偶発的前立腺癌のリスク指標となり得るかを検証した。移行帯に特定の異常所見が認められる場合、術中に前立腺癌が発見されるリスクが高まることが示されている。この結果は、臨床医がBPH患者に対して単に腺体体積のみならず、移行帯の詳細な画像評価を行う必要性を示唆している。
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赴日診療を受ける患者さんへ
- 術前にはPSA検査、直腸診、mpMRIを含む適切な泌尿器科評価が行われるよう求める。
- MRIで移行帯に疑わしい病変が認められた場合は、手術の前に前立腺生検を実施し、病理診断を確認した上で手術方針を決定する場合がある。
- 日本の医療機関では泌尿器科 oncology の診療経路が整備され、多職種連携(MDT)により悪性病变の見落としを減らす取り組みが進んでいる。
本研究の知見は、患者が術前に医師とより具体的な相談を行う助けとなり、個別化された安全な治療計画の立案に寄与する。
本記事は公開情報に基づく参考情報であり、医療アドバイスではありません。診療については医師にご相談ください。
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