日本乳癌学会(JBCS)の病理学的反応分類は、術前化学療法後の組織学的反応を段階別に評価する体系です。『Breast Cancer』誌に掲載された最新研究では、同分類が術後予後の独立予測因子であることが示され、乳腺がん患者の個別化治療方針策定に有用なエビデンスが提示されました。
2026年10月、学術誌『Breast Cancer』(東京版)に、日本乳癌学会(JBCS)病理学的反応分類の予後予測性能に関する研究が掲載されました。本研究は、術前化学療法後の乳腺組織の病理学的反応度に基づき患者を層別化し、術後再発リスクと生存率をより正確に予測する方法を検討したものです。
JBCS病理学的反応分類とは
この分類は、術前化学療法後の手術標本における腫瘍細胞残留率、導管内癌の残存状況、局所リンパ節転移の程度を評価し、患者を異なる反応段階に区分します。欧米で用いられるTRC(Tumor Regression Grade)とは異なり、日本人の腫瘍生物学特性と外科的取材基準に適合した設計となっており、日本国内の乳腺センターでは病理レポートの標準項目として運用されています。
予後評価の重要性
術前化学療法後の組織学的反応には患者間で大きなばらつきがあり、画像上の腫瘤縮小のみでは微小残留病変を見逃すリスクがあります。病理学的反応分類により「化学療法が実際に奏功したか」を客観的な指標で量化でき、抗HER2標的治療薬の追加、内分泌療法の調整、放射線治療範囲の検討など術後補助治療方針の決定に貢献します。本研究では、同分類が術後の無病生存期間および全生存期間に対する独立した予測因子であることが確認されました。
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患者への実務的意義
術前化学療法終了後は、画像変化だけでなく病理レポートの反応グレードをもとに主治医と個別化治療について十分に話し合ってください。完整的な病理レポートを保存し、必要に応じてセカンドオピニオンを活用することが、安全かつ確実な治療判断につながります。
本記事は公開情報に基づく参考情報であり、医療アドバイスではありません。診療については医師にご相談ください。
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