学術誌『Annals of Surgical Oncology』掲載の論考が、ER陽性/HER2陰性乳がんにおけるアンドロゲン受容体(AR)のバイオマーカーとしての可能性と免疫治療標的としての展望を提言。内分泌療法後進行例に対する新たな分子分型・治療戦略を示唆する。
国際誌『Annals of Surgical Oncology』2026年10月号の論考が、ER陽性/HER2陰性乳がんにおけるアンドロゲン受容体(AR)のバイオマーカーとしての可能性と、免疫治療標的としての展望を提言した。
ARに注目される背景
ER陽性/HER2陰性乳がんの第一選択はアロマターゼ阻害薬やSERM(セレクティブエストロゲン受容体モジュレーター)などの内分泌療法だが、数年内に進行する例も少なくない。ARは核受容体ファミリーの一員で、一部ER陽性腫瘍で発現が上昇し、エストロゲンシグナルとの交差制御が示唆されている。
免疫治療標的としての展開
ARの免疫組織化学的検出やmRNA定量により同亜型をさらに細分し、特定治療に感度の高い患者を識別する可能性が議論されている。AR阻害を免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせた理論的枠組みも提起されているが、現時点では学術的な初期検討段階であり、大規模臨床試験には至っていない。
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日本での受診にあたって
国立がん研究センター等の国内主要がんセンターで乳がんの多分子分型研究が推進され、AR検出が一部の研究プロトコルに組み込まれている。内分泌療法後に進行した患者がセカンドオピニオンを利用する際は、主治医にAR発現の病理学的追加検査の可否を確認するのが適切だ。ただし、AR標的・免疫複合体療法は依然として研究段階であり、標準治療ではない点に留意が必要である。
本記事は公開情報に基づく参考情報であり、医療アドバイスではありません。診療については医師にご相談ください。
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